歯ブラシは水で濡らしてから使う?歯磨き粉との使い方を整理
歯ブラシを水で濡らすかどうかだけで、歯磨きの良し悪しは決まりません。適量の歯磨き粉で丁寧に磨き、すすぎすぎないことが大切です。泡立ちすぎる人は、濡らさず使う方法も選べます。
「乾いた歯ブラシでなければ歯磨き粉の効果がなくなる」「必ず水で濡らすべき」といった一律の決まりは、公的な一般向けガイドラインでは確認できませんでした。製品の種類や口の状態、磨きやすさによって選びつつ、使用量、ブラッシング、磨いた後のすすぎまでを一連の流れで考えましょう。
磨く時間帯を迷っている場合は、朝食前・朝食後の歯磨きの考え方と、食後すぐに磨く場合の考え方も確認できます。
濡らす場合・濡らさない場合を比較
| 使い方 | 使用感 | 泡立ち | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 水で軽く濡らす | 毛先が口に入りやすいと感じることがある | 発泡剤を含む製品では、早めに泡立つことがある | 乾いた毛先の感触が苦手な人、製品表示で湿らせる手順がある電動・超音波歯ブラシを使う人 | 水を多く含ませて歯磨き粉を流さない。泡だけで磨けたと判断しない |
| 濡らさず使う | 最初は乾いた感触があるが、唾液で徐々になじむ | 余分な水を加えないため、泡立ちを抑えやすい場合がある | 泡が多いと短時間で終えてしまう人、口の中を順番に確認したい人 | 乾いた感触が不快なら無理に続けない。製品や機器の説明を優先する |
この比較は使用感の目安です。同じ量の水でも、歯磨き粉の発泡成分、剤形、歯ブラシの毛量、唾液量によって泡立ち方は変わります。
なぜ「濡らさない方がよい」といわれるのか
よく挙げられる理由は、歯ブラシに加えた水によって発泡剤を含む歯磨き粉が早く泡立ち、十分に磨く前に「磨けた」と感じやすくなる、というものです。泡立ちが多いと口の中がいっぱいになり、短時間で吐き出したくなる人もいます。
ただし、泡そのものが悪いわけではありません。泡立ちがあっても歯の外側、内側、かみ合わせ面、歯と歯ぐきの境目を順番に磨けるなら、濡らしただけで不適切とはいえません。反対に、濡らさなくても歯ブラシが歯面へ正しく当たっていなければ、磨き残しは生じます。
電動歯ブラシや超音波歯ブラシについて、厚生労働省のe-ヘルスネット「歯みがきを助けるもの」にはブラシを水でよく湿らせる手順も掲載されています。手用歯ブラシと機器を一括して「絶対に濡らさない」と決めず、取扱説明書を確認してください。
水で濡らすと歯磨き粉の効果はなくなる?
使用前に歯ブラシを軽く濡らしただけで、歯磨き粉の効果がなくなると断定できる十分な根拠は確認できませんでした。水分が加われば歯磨き粉は物理的に薄まりますが、口の中ではもともと唾液とも混ざります。軽く濡らす行為と、磨いた後に大量の水で何度もすすぐ行為は分けて考える必要があります。
フッ化物を口の中へ残す観点で、公的ガイダンスが明確に重視しているのは、適切な濃度と量のフッ化物配合歯磨剤を使うこと、1日2回磨くこと、磨いた後にすすぎすぎないことです。使用前の水分量だけを気にして、歯磨き粉を少なすぎる量にしたり、磨く時間を短くしたりしないようにしましょう。
歯磨き粉の適切な使用量
フッ化物配合歯磨剤は、年齢に合った濃度と量を使います。厚生労働省のe-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」が示す2023年の4学会合同提言に基づく目安は次のとおりです。
| 年齢 | 使用量の目安 | フッ化物濃度の目安 | 使用上のポイント |
|---|---|---|---|
| 歯が生えてから2歳 | 米粒程度(1~2mm) | 900~1,000ppmF | ごく少量を使い、保護者が管理する |
| 3~5歳 | グリーンピース程度(約5mm) | 900~1,000ppmF | 軽く吐き出す。すすぐなら少量の水で1回 |
| 6歳~成人・高齢者 | 歯ブラシ全体(1.5~2cm)程度 | 1,400~1,500ppmF | 就寝前を含め1日2回。軽く吐き出し、すすぐなら少量の水で1回 |
市販品の濃度や対象年齢、使用方法は製品ごとに確認してください。子どもが適量を出せない場合は保護者が用意し、手の届かない場所に保管します。飲み込みが難しい人、介助が必要な人は、誤嚥を避けるため歯科医師・歯科衛生士へ相談してください。
歯磨き粉を付けすぎるとどうなる?
歯磨き粉を多く付ければ、汚れがその分だけよく落ちるとは限りません。必要以上に泡立って短時間で磨き終えたり、吐き出しにくくなったりすることがあります。反対に、フッ化物配合歯磨剤を極端に少なくすると、推奨される使用量を満たしません。
広告のように毛先へ山盛りにせず、年齢別の目安と製品表示に従います。清涼感の強さや泡の量を、歯垢が落ちた証拠として判断しないことも大切です。
どのくらいの時間、どう磨く?
一般的な案内では、すべての歯面を約2分かけて清掃することが目安です。ただし、時間だけを満たしても同じ場所ばかり磨いていては不十分です。外側、内側、かみ合わせ面、歯と歯ぐきの境目の順に、力を入れすぎず磨きます。
歯と歯の間は歯ブラシだけでは届きにくいため、フロスや自分に合う歯間ブラシを併用します。歯がしみる、歯ぐきから出血が続く、磨き方が分からない場合は歯科医院で確認してください。
歯磨き後のすすぎ方
フッ化物配合歯磨剤を使った後は、泡や唾液を軽く吐き出します。厚生労働省の情報では、3歳以上は、うがいをする場合に少量の水で1回とする方法が示されています。日本歯科医師会もすすぎすぎないセルフケアを案内しています。何度も大量の水ですすぐと、口の中に残るフッ化物の濃度が下がりやすくなります。
すすがないことだけを優先して歯磨き粉を飲み込まないでください。年齢、飲み込む力、口の粘膜の状態、処方された歯磨剤の指示によって適切な方法は変わります。詳しくは歯磨き後のうがいとフッ化物の考え方をご覧ください。
歯ブラシ使用後の洗い方・保管方法
- 使用後は流水で歯磨き粉や汚れをよく洗い流す
- 水気を切る
- 毛先を上にして、風通しのよい場所で乾燥させる
- 家族の歯ブラシ同士が触れないように置く
- 毛先が開いたら交換する。目安として3~4か月より早くても交換する
濡れたまま密閉容器へ入れると乾きにくくなります。旅行用キャップは持ち運び時に便利ですが、帰宅後は洗浄し、十分に乾かしてから保管しましょう。歯ブラシを家族で共有しないでください。
WhiteningBAR Pasteを使用する場合
WhiteningBAR Paste Mintは、販売名「WB Mトゥースペースト」の医薬部外品です。公式ページで確認できる使用方法は「適量を歯ブラシに取り、歯及び歯ぐきをブラッシングしてください」です。フッ素配合、高機能性シリカを清掃成分として配合していることも公式ページで案内されています。
公式ページには、使用前に歯ブラシを濡らすかどうかの指定は掲載されていません。そのため、本記事から独自の必須手順は追加しません。使用方法と使用上の注意を確認し、口内に異常が生じた場合は使用を中止してください。
同商品は毎日のブラッシングで歯の表面の着色汚れを清掃するための製品であり、歯そのものの色が必ず白くなると保証するものではありません。歯磨き粉の選び方全般は、ホワイトニング歯磨き粉と表面着色・研磨剤の基礎で確認できます。
セルフホワイトニングとの違い
歯磨き粉を使ったブラッシングは日常の清掃です。WhiteningBARは、お客様自身が行う美容目的のセルフホワイトニングサービスで、歯科医院で行う医療ホワイトニングや歯科治療とは異なります。違いはセルフホワイトニングと医療ホワイトニングの違い、利用の流れは初めての方へで確認できます。
よくある質問
歯ブラシは水で濡らさない方がよいですか?
濡らさないことが全員に共通する絶対的な正解ではありません。泡立ちすぎて短時間で終えてしまう人は濡らさず使う方法を試せます。電動歯ブラシなどは機器の取扱説明書を優先してください。
歯ブラシを濡らすとフッ化物の効果はなくなりますか?
軽く濡らしただけで効果がなくなると断定できる十分な根拠は確認できません。適切な濃度と量の歯磨き粉を使い、磨いた後に大量の水で何度もすすがないことを優先しましょう。
成人は歯磨き粉をどのくらい使えばよいですか?
厚生労働省の情報では、6歳から成人・高齢者は、1,400~1,500ppmFのフッ化物配合歯磨剤を歯ブラシ全体、1.5~2cm程度使うことが目安です。製品表示や歯科医師の指示も確認してください。
歯磨き後は何回すすげばよいですか?
フッ化物配合歯磨剤を使った場合は、泡や唾液を吐き出し、うがいをするなら少量の水で1回という方法があります。飲み込みが難しい人や子どもは安全を優先してください。
使い終わった歯ブラシにキャップをしてもよいですか?
持ち運びには使えますが、濡れたまま密閉すると乾きにくくなります。使用後は流水で洗い、水気を切り、毛先を上にして風通しのよい場所で乾燥させてから保管しましょう。
まとめ
歯ブラシを使用前に水で濡らすかどうかだけで、歯磨きの良し悪しは決まりません。泡立ちすぎて十分に磨けない人は濡らさず使う方法を試し、乾いた感触が苦手な人は軽く湿らせるなど、丁寧に磨き続けられる方法を選びます。年齢に合う量のフッ化物配合歯磨剤を使い、磨いた後はすすぎすぎず、使用後の歯ブラシをよく洗って乾かしましょう。
本記事は一般的な口腔ケア情報です。製品や機器の表示、歯科医師からの個別指示を優先してください。WhiteningBAR Journalの監修体制は岡本恵衣先生プロフィールで確認できます。
WRITTEN AND EDITED BY
WhiteningBAR編集部
2013年創業のセルフホワイトニング専門ブランド。初めての方にも分かりやすい情報提供を大切にしています。