全国の子供に対する虫歯数調査
投稿日:2025年03月21日

いよいよ春!
必要な品々を準備し、気持ちを整え、身だしなみにも気を配る時期です。
学校の新年度には様々な検診があり、もちろん、その中には歯科も含まれます。
今回は子供の虫歯数についてご紹介します。
目次
全国の子供の虫歯数最上位と最下位
子供の虫歯が少ない都道府県を調査した結果、第一位は新潟県、最下位は沖縄県でした。
文部科学省が実施した全国の児童の発育状態や健康状態を調べた学校保健統計調査によると、新潟県は12歳における平均の虫歯本数が21.6%で、2000年から24年間連続で日本最少を誇っているのだそうです。
反対に沖縄県は60.5%で、全国ワースト順位となりました。
80歳で20本以上自分の歯がある高齢者の割合も、全国平均より10%以上少ないという残念な結果も発表されました。
新潟県の取り組み
新潟県では歯科保健推進条例に基づき、毎年、県内のすべての保育所や学校などを対象に、全数調査を行っています。
そのデータによると、2016年の12歳児の一人平均むし歯数は0.44本。
虫歯のまったくない子供の割合は、県内約2万人の中学1年生のうち79.7%。
10人に8人はむし歯がないのです。
虫歯ができたことがない子供の割合は、調査を開始した1980年は約20%でしたが、2016年は約81%で約4倍に!
12歳の子供の約9割が虫歯ゼロという驚異的な成果も達成しているのです。
これほどの成果の要因は、保育所や幼稚園や学校で、フッ化物洗口が実地されているからだと考えられています。
現在の普及率は保育所や幼稚園で約70%、小学校で約84%、中学校で約40%にもなるのだとか。
フッ化物洗口とは、一定濃度のフッ化ナトリウムを含む溶液でうがいをすること。
虫歯の原因菌は酸を作り歯を溶かします。
フッ化物は歯の表面に作用し、酸に溶けにくい歯を作ったり、溶けだしたカルシウムなどを補う作用を促進したりするため、虫歯予防に効果があるとされています。
新潟県でのフッ化物洗口の歴史は、1970年にさかのぼります。
子どもの虫歯の多さが問題となっていた弥彦村の小学校でフッ化物洗口をスタート。
その後、安全面への不安から反対運動が起きたことがあったものの、1981年には「むし歯半減10か年運動」を開始し、フッ化物洗口は県内に拡大されました。
2020年度には、県内の小学校の88.5%でフッ化物洗口が実施されるまでになったそうです。
フッ化物洗口とは
フッ素の成分です。
新潟県では、第一大臼歯の萌出時期である就学前にあわせて開始し、中学生まで続けます。
フッ化物洗口の方法はとても簡単で、小中学生は、10ml濃度のフッ化ナトリウム溶液で、1週間に一度、1分間、ブクブクうがいをします。
保育園や幼稚園では、一回のフッ化ナトリウム溶液を5~7mlにした、週5回法を採用しています。
薬剤の処方や調剤は歯科医師の指導のもと管理されています。
これが幼い頃から習慣化されている県民は、大人になっても家庭内で同様に実施し続ける場合が多く、虫歯リスクの軽減に役立っているのだとか。
永久歯の虫歯予防手段としても有効なのだとわかりますね。
最後に
健康な口腔環境は子供たちの将来にとって、代え難い宝物です。
今ではこの新潟県の素晴らしい取り組みが、全国でも広がっています。
佐賀県、秋田県、熊本県、島根県、宮崎県などで積極的に行われており、宮崎県にはテーマソングもあるのだとか!
大人も子供も口腔環境を整えて、体調を万全に、フレッシュな気持ちで春を迎えたいものですね。
歯科医師 岡本恵衣

経歴
2012年 松本歯科大学歯学部卒業
2013年 医療法人スワン会スワン歯科にて臨床研修
2014年 医療法人恵翔会なかやま歯科
2020年 WhiteningBAR(株式会社ピベルダ)






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