ホワイトニングのリスクについて

投稿日:2025年08月25日

ホワイトニングをすることによるリスクは?

ホワイトニングは歯を白くする人気の施術ですが、いくつかのリスクや副作用が伴う可能性があります。事前にこれらを理解し、安心して施術を受けることが大切です。

主なリスクと副作用は以下の通りです。

1. 知覚過敏(歯がしみる)

ホワイトニングで最も多くの方が経験する症状です。

原因

ホワイトニング剤が歯の表面を保護している「ペリクル」という膜を一時的に除去し、歯の神経に刺激が伝わりやすくなるためです。特に、歯ぎしりや食いしばりなどで歯がすり減っている方や、歯に細かいひび割れがある方は症状が出やすい傾向があります。

症状

冷たいものや熱いものを口にした時、風が当たった時などに、歯に一時的な痛みを感じます。

持続期間

通常、施術後24時間〜48時間程度で治まることがほとんどです。

対処法

  • 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する。
  • フッ素配合のジェルや歯磨き粉で歯質を強化する。
  • 施術後しばらくは、極端に冷たいものや熱いものの摂取を避ける。
  • 症状が強い場合は、歯科医院で薬を塗布してもらう。

2. 歯茎や口内の粘膜への刺激

ホワイトニング剤が歯茎に付着することで、痛みや炎症が起こることがあります。

原因

使用するホワイトニング剤(主に過酸化水素や過酸化尿素)が、歯茎や唇などの柔らかい組織に触れることで、化学的なやけどのような状態になるためです。特に、ご自身で行うホームホワイトニングで、マウスピースから薬剤がはみ出してしまった場合に起こりやすいです。

症状

歯茎が白っぽく変色したり、ヒリヒリとした痛みや灼熱感を感じたりします。

持続期間

通常は数時間から数日で自然に治ります。

対処法

  • 薬剤が歯茎に付着したら、すぐに拭き取り、よくうがいをする。
  • 歯科医院でのオフィスホワイトニングでは、事前に歯茎を保護する薬剤を塗布するため、このリスクは軽減されます。

3. 色ムラ

ホワイトニング後に、歯の色が均一にならず、ムラができてしまうことがあります。

原因

歯の質(エナメル質の厚さなど)や、着色の原因・度合いが場所によって異なるためです。もともと歯にあった白い斑点(ホワイトスポット)が、ホワイトニングによってさらに目立ってしまうこともあります。

対処法

  • ホワイトニングを継続することで、徐々に色ムラが目立たなくなることが多いです。
  • 気になる場合は、歯科医師に相談し、追加の処置を検討します。

4. 後戻り

ホワイトニングの効果は永久的ではありません。

原因

日常の飲食(コーヒー、紅茶、カレーなど色の濃いもの)や喫煙などによって、歯は再び着色していきます。

期間

個人差はありますが、オフィスホワイトニングの場合、一般的に3〜6ヶ月ほどで後戻りが気になり始めると言われています。

対処法

  • 白さを維持するためには、定期的なメンテナンス(タッチアップ)が必要です。
  • 着色しやすい食べ物を控える、食後は歯を磨くなどのセルフケアも効果的です。

5. その他のリスク

頻度は低いですが、以下のようなリスクも報告されています。

  • 歯の表面の荒れ: 施術直後は歯の保護膜が剥がれているため、一時的に歯の表面がざらついたように感じることがあります。通常は唾液の作用により1〜2日で再生されます。
  • 歯髄炎: 虫歯や歯の亀裂がある場合、薬剤が歯の神経(歯髄)まで到達し、炎症を起こす可能性があります(非常にまれです)。

ホワイトニングを受ける上での注意点

  • 事前の歯科検診が重要: 安全にホワイトニングを行うためには、虫歯や歯周病がない健康な状態であることが前提です。施術前には必ず歯科医師の診察を受け、口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。
  • ホワイトニングができない、または注意が必要な方:
    • 妊娠中・授乳中の方
    • 18歳未満の方(歯がまだ成長段階にあるため)
    • 無カタラーゼ症の方
    • 重度の知覚過敏や歯周病がある方
  • 人工歯には効果がない: 詰め物や被せ物などの人工の歯は白くならないため、ご自身の歯との色の差が目立つようになる可能性があります。

ホワイトニングは、歯科医師の適切な診断と指導のもとで行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。不安な点があれば、遠慮なく歯科医師に相談してください。