歯に問題がある場合のホワイトニング

歯に問題がある場合、ホワイトニングは推奨されないか、非常に注意が必要です。以下に主な理由と、ホワイトニングを検討する前に考慮すべき点、および代替案を挙げます。

ホワイトニングが推奨されない主な理由

虫歯（う蝕）

• ホワイトニング剤が虫歯の部分に浸透すると、歯髄（歯の神経）に刺激を与え、炎症や痛みを引き起こす可能性があります。
• 虫歯が進行したり、歯がさらに損傷したりするリスクがあります。
• 対策: ホワイトニングを行う前に、必ず虫歯を治療する必要があります。

歯周病（歯肉炎、歯周炎）

• 歯茎が炎症を起こしている状態でホワイトニングを行うと、ホワイトニング剤が歯茎に触れて刺激を与え、痛みや腫れ、場合によっては火傷のような症状を引き起こすことがあります。
• 歯周病が進行していると、歯茎が下がって歯根が露出していることがあり、ホワイトニング剤が歯根に直接触れることで、より強い知覚過敏を引き起こす可能性があります。
• 対策: 歯周病を治療し、歯茎が健康な状態になってからホワイトニングを検討すべきです。

知覚過敏

• ホワイトニングは一時的に歯の知覚過敏を悪化させることがあります。
• すでに知覚過敏がある場合、ホワイトニングによって強い痛みが生じる可能性があります。
• 対策: 知覚過敏の治療や、知覚過敏用の歯磨き粉の使用など、事前に知覚過敏の症状を軽減する措置を講じる必要があります。

歯の損傷（ひび割れ、欠け、摩耗）

• ひび割れや欠けがある歯の場合、ホワイトニング剤がそこから内部に浸透し、歯髄に刺激を与えたり、痛みを引き起こしたりするリスクが高まります。
• エナメル質が摩耗して薄くなっている場合も、象牙質が露出しやすく、知覚過敏のリスクが高まります。
• 対策: 損傷した歯は、ホワイトニングの前に修復（詰め物、被せ物など）する必要があります。

既存の修復物（詰め物、被せ物、ラミネートベニアなど）

• ホワイトニング剤は天然歯のみに作用し、歯科用の詰め物、被せ物、ラミネートベニアなどの人工的な修復物の色は変化しません。
• そのため、ホワイトニング後に天然歯と修復物の色の差が生じ、見た目が不自然になる可能性があります。
• 対策: ホワイトニング後に、色の合わなくなった修復物を交換する必要があるか、歯科医師と相談する必要があります。

妊娠中・授乳中、16歳未満

• これらの期間におけるホワイトニング剤の安全性に関する十分な研究がないため、一般的に推奨されません。

ホワイトニングを検討する前に

必ず歯科医師に相談してください。

歯科医師は、あなたの口腔内の状態を詳しく検査し、以下の点を評価します。

• ホワイトニングが適切かどうか
• ホワイトニングによって起こりうるリスク
• ホワイトニングの前に必要な治療（虫歯治療、歯周病治療、修復物の交換など）
• 最適なホワイトニング方法の選択（オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングなど）

代替案

ホワイトニングが不適切な場合でも、歯の見た目を改善する他の方法があります。

• クリーニング: 歯の表面に付着した着色汚れや歯石を除去することで、本来の歯の色を取り戻し、明るく見せることができます。
• ラミネートベニア: 歯の表面に薄いセラミックのシェルを貼り付けることで、歯の色、形、大きさを劇的に改善できます。
• クラウン（被せ物）: 歯全体を覆う被せ物で、歯の色だけでなく、形や強度も改善できます。
• ダイレクトボンディング: 歯に直接レジンを盛り足して形や色を修正する方法です。

歯に何らかの問題があると感じている場合は、自己判断で市販のホワイトニング製品を使用せず、まずは歯科医院を受診して専門家のアドバイスを受けることが最も重要です。