フッ素が歯に良いのはなぜ?はたらきや効果、注意点を紹介

投稿日:2021年10月3日
最終更新日:2024年09月13日

フッ素が歯に良いのはなぜ?はたらきや効果、注意点を紹介

テレビCMなどで「フッ素配合」という言葉を耳にすることが増えてきました。フッ素配合の歯磨き粉なども見かけますよね。 歯には良いイメージのある「フッ素」ですが、そもそもフッ素とはどういうものなのかご存知でしょうか? 今回は、歯に塗布するフッ素をテーマに、フッ素の効果や取り入れ方についてもご紹介します。

目次

フッ素のはたらきや効果

歯磨き粉にも配合されているフッ素とは、歯に塗布することで歯の質を強くし、虫歯を予防するはたらきのある天然元素のことです。吸収しやすい子供のうちにしっかりとフッ素を取り入れておくと、丈夫な永久歯を作ることが期待できるため、乳歯の生えている子供にすすめられています。 もちろん大人も歯磨き粉などで取り入れると虫歯予防になるため、おすすめです。 そんなフッ素のはたらきや効果は以下の通りです。

虫歯菌のはたらきや酸の量を抑える

歯にフッ素を塗布すると、虫歯菌のはたらきや酸の量を抑えられます。 虫歯ができる理由は、虫歯菌が酸を作り、その酸によって歯が溶けるためです。虫歯菌の作り出す酸から歯を守るため、私たちの体は唾液を分泌して口腔内を中性に戻そうとしますが、唾液の分泌が少ない人など口腔内を中性に戻しきれない場合には、虫歯が進行することになります。 フッ素には、そんな虫歯菌のはたらきを鈍くし、酸を作り出す量を抑えてくれる効果が期待されています。

歯の表面を強くする

フッ素は歯の表面を強くするはたらきがあります。 フッ素を塗ると歯の表面が酸によって溶けにくい性質になるため、虫歯の予防につながると期待されているのです。

歯の再石灰化を促進する

フッ素には、歯の再石灰化を促進するはたらきもあります。 虫歯の原因になる菌や酸を抑えるだけでなく、初期の虫歯であれば修復してくれる効果も期待されています。

フッ素の効果的な取り入れ方

フッ素の効果的な取り入れ方

次は、フッ素の効果的な取り入れ方について説明します。

フッ素入り歯磨き粉

フッ素入り歯磨き粉は、子供のうちから積極的に取り入れられます。 うがいができない歳の子供には泡状で出るタイプのフッ素入りの歯磨き粉がおすすめです。 フッ素配合の歯磨き粉の効果をより高めるためには、歯に塗ったフッ素をできるだけ長く口腔内にとどめておく必要があります。

フッ素入りうがい薬

フッ素を最も手軽に取り入れる方法としては、フッ素入りうがい薬もおすすめです。 毎日の歯磨きやうがいに用いることで、フッ素が歯に良いはたらきをしてくれるでしょう。日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は500~1,500ppmのものがほとんどです。即効性を期待するというよりは、予防する目的で使用しましょう。

歯科医院でのフッ素塗布

歯科医院やクリニックでもフッ素を塗布してもらえます。歯科医院で使用するフッ素塗布剤は9,000ppmという高濃度のものです。高濃度のフッ素は持続力が高いため、3〜4か月に一度を目安として塗布すると良いでしょう。 歯科医院でフッ素を塗布したあとの注意点としては、市販品を使用する際と同様にできるだけフッ素を長く口腔内にとどめるようにすることです。少なくとも30分間は飲食を控えましょう。また、フッ素塗布のあとにうがいをする必要はありません。

フッ素には副作用や注意点もある?

フッ素には副作用や注意点もある?

ここからは副作用や注意点について説明します。 フッ素は濃度が高いほど虫歯から歯を守る効果が高くなると言われていますが、高濃度フッ素を過剰に取り込むことで、歯が白く濁ったようになるフッ素症(斑状歯)を引き起こす可能性があります。
フッ素症は歯そのものがもろくなるわけではありませんが、歯の色が斑(まだら)になるため、美しい見た目を損なうという点で避けたい症状でしょう。ただ、フッ素症は相当量のフッ化物を含んだ水を常飲することが原因で起こります。日常的な歯磨きや歯科医院でのフッ素塗布によってフッ素症といった副作用が起こることはないので安心してください。 また「歯磨き粉とうがい薬を併用して使い続けるとフッ素症が発生するのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、そもそも日本国内で入手できる歯磨き粉やうがい薬のフッ素の含有量はさほど多くはありません。そのため、歯磨き粉とうがい薬を併用して使い続けても、フッ素症が発生する可能性は低いでしょう。
フッ素の取り入れすぎは大人も子供も良くありませんが、歯科医院や日本国内で市販されているフッ素に関しては容量を守り正しく利用すれば歯を守る味方になるので、安心して使用してください。

最後に

今回は歯を強くするフッ素について紹介しました。フッ素は、虫歯菌のはたらきを抑え、歯の再石灰化を促進してくれることから、歯にとって強い味方になります。 しかし、フッ素は歯を強くしてくれますが、歯の色を白くしてくれる効果はありません。強く丈夫なだけでなく見た目も綺麗な白い歯を手に入れるためには、フッ素とは別にホワイトニングなどのケアも行うのがおすすめです。
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この記事は歯科医師が監修しております
歯科医師 岡本恵衣
ホワイトニングバー専属歯科医師 岡本恵衣
経歴
2012年 松本歯科大学歯学部卒業
2013年 医療法人スワン会スワン歯科にて臨床研修
2014年 医療法人恵翔会なかやま歯科
2020年 WhiteningBAR(株式会社ピベルダ)
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