過酸化尿素と過酸化水素

投稿日:2024年12月2日

ホワイトニング剤の主成分をご存知ですか?
ホームホワイトニングは過酸化尿素、オフィスホワイトニングは過酸化水素が用いられており、それ以外には、増粘剤、保湿剤、固結防止剤などが少量ずつ含まれています。
ホワイトニング製品や歯科医療分野において、広く使用される成分である、過酸化尿素と過酸化水素。
今回は、この二つの特徴や違いについて調べてみました。

目次

過酸化尿素と過酸化水素の違い

ホワイトニング剤としての特徴は、過酸化尿素は反応が遅いけれど効果が長持ちし、過酸化水素は早く結果を得られるが効果が持続しにくい、と考えられています。

過酸化尿素は、尿素と過酸化水素が結合した固形の化合物です。
主にホームホワイトニングに用いられます。
固形であるため液体の過酸化水素よりも扱いやすくなっており、過酸化尿素が分解することにより過酸化水素が生成します。
過酸化水素の濃度は約10~20%です。
過酸化尿素は少しづつ過酸化水素を生成するので、穏やかな漂白効果で輝くような自然な歯の白さとなり、長い期間効果を持続できることが特徴です。

過酸化水素は、主にオフィスホワイトニング剤に含まれており、濃度は約35%。
過酸化水素から発生するヒドロキシラジカルによって歯の着色汚れの成分が分解され、歯を白くできます。
消毒や漂白のために使われるオキシドール水溶液に含まれる濃度が約3%であることを踏まえると、ホワイトニング剤としての漂白作用はかなり強いといえるでしょう。
ホームホワイトニングに比べて濃度が高いためすぐに効果が感じられますが、薬剤は刺激が強く感じることも。
一回の施術で高い漂白作用が期待できますが、効果の持続時間が短いことがマイナスポイントになります。

注意点は?

高濃度の過酸化水素は、肌に直接触れると痛みを伴って肌が白く変色してしまうほど反応性の高い化合物ですが、ホワイトニング剤は、濃度が低く調合されているため、安全に施術できます。
ただし、人によっては変色以外にも染みるなどの違和感を感じることもあるようです。
50cc以上のホワイトニング剤を飲み込むと、下痢を起こす可能性もあるといわれていますが、一度の施術で使用する量はもっと少ないため、心配ありません。
日本国内では、歯磨き粉やセルフホワイトニングキット等の過酸化水素入りのオーラルケアアイテムは認可が下りていないため、薬局などでの市販はされていませんから、知らないうちに使用していたということは起こらないはずです。

フリーラジカル

過酸化水素が含まれたホワイトニング剤で歯が白くなるのは、フリーラジカルが発生するからです。
フリーラジカルとは、過酸化水素が酸素と水に分解される過程で発生する現象のこと。
過酸化尿素や過酸化水素は、光を照射したり、熱を加えたり、pHを調整したりすると、化学反応を起こしフリーラジカル(活性酸素)が発生します。
このフリーラジカルがエナメル質の着色原因である有機質に反応して分解を促し、有機質が無色化された結果、歯の透明度が上がり、歯が白く見えるようになります。
ホワイトニング未経験の方の中には、歯の表面を少し削って白くする?、歯に白い薬剤を塗って白くする?、といったイメージを持っている方もいるようですが、実際の仕組みは実に科学的なのです。


この記事は歯科医師が監修しております
歯科医師 岡本恵衣
ホワイトニングバー専属歯科医師 岡本恵衣
経歴
2012年 松本歯科大学歯学部卒業
2013年 医療法人スワン会スワン歯科にて臨床研修
2014年 医療法人恵翔会なかやま歯科
2020年 WhiteningBAR(株式会社ピベルダ)
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2024年12月2日更新
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